2026.04.23
三菱ガス化学ネクストは、 新しい価値を追求するための全社横断的組織・ RaaS(Reform Association for Advanced Synergy)を 立ち上げました。 社内各部署から選出されたメンバーが定期的に集い、 様々なテーマについて、組織の枠や立場にとらわれない 自由な議論や発表を行っています。 2025年11月18日には、RaaSの第7回委員会が、 三菱ガス化学のイノベーションセンター「MGCコモンズ」※で 実施されました。 社員それぞれの個性や豊かな発想を生かし、 会社のイノベーションにつなげていく ──そんなワクワクする三菱ガス化学ネクスト独自の RaaSの取り組みをご紹介します。
RaaSを作られた時の想いを教えてください。
大塚日本ファインケムと日本ユピカの合併に当たり、両社の社員の交流を深めてもらうことと、イノベーションを生み出すことを考えていました。化学品を扱うファインケムと樹脂を扱うユピカでは、仕事のスタイルや考え方も異なるため、「モノマー文化」と「ポリマー文化」など、お互いの違いについて知らなければ、相互理解が進みません。そこで、まずは初期メンバーとして、30代、40代の一定の実務経験を持つ社員を両社の各部署から集めました。
RaaSは、イノベーションを生む起点にもなるのでしょうか?
大塚どこの会社でも、イノベーションは大切だと言いますが、掛け声だけかけても、実際に何をすればいいのか社員にはわからない。研究者にだけイノベーションを要求する方々も多いようですが、それは違うと思います。イノベーションはバックグラウンドが違う人たち──つまり全社の交流の中から生まれるものだと思っています。 イノベーションとは、今までになかった新しい価値の創造であり、従来の仕事の延長線上にはありません。それを実現するには、幅広い視点から物事を見直し、既存のビジネス路線や先入観に囚われてはいけません。RaaSメンバーに様々な部署の人に加わってもらったのも、そのためです。
多様なバックグラウンドが集まると、どんなイノベーションが生まれますか?
大塚例えば、最近当社が開発した天然素材配合の熱硬化性樹脂コンパウンド「ユピカナイト®」は、営業担当者のある一言から生まれました。その担当者は、三菱ガス化学グループの1社が製造時に副生する特殊な泥の処理に苦慮しているという話を聞き「それを、うちの樹脂に混ぜ込んでみたら?」と言い出した。 一般的に、水をたっぷり含んだ泥のようなものは、樹脂には混ざりません。そのため、普通なら営業の提案を一笑に付すところですが、当社の研究者にはノリのいいのがいて、「ちょっとやってみようか」と実験したんです。すると、ちゃんと均一に混ざって、しっかり固まることが確認されたのです。これは画期的な発見ですし、天然素材を使った環境配慮型のFRP向け樹脂という従来にない価値を生み出すことにもつながりました。
RaaSが、そのようなイノベーションを創出する風土を育むと?
大塚重要なのは、心理的安全性が守られた状態で、誰もが思ったことを自由に発言できるという場を作ることです。「ユピカナイト®」の件に関しても、営業担当者が思ったことを気兼ねなく研究者に提案したからこそ、新たな発見が生まれたのです。RaaS活動の回を重ねるたびに、各自が本音を出し合えることになって、お互いの考えの理解も深まり、コミュニケーションが活性化されてきていると感じていますね。 それがイノベーションを創出することにつながると考えています。
今後の取り組みは?
大塚様々な階層の交流を進めたいと思っていますが、特に技術系の交流の機会をもっと増やしたいですね。研究所の研究者や工場の技術者を中心とした交流を促進し、横串が通るようになればと思っています。
改めて一言、メッセージを。
大塚「我々は本気ですよ」と(笑)。世間ではお題目のように「イノベーションが大事」と言われていますが、我々は本気でイノベーション創出に取り組んでいますし、それを可能にする技術や知見も培ってきています。今後の三菱ガス化学ネクストに、ぜひご注目ください。
RaaSは2社合併の一年半前に立ち上げられました。多くの部署から若手ミドル社員を集め、自由に自らの意見や見解を議論し合う革新的な組織です。これまでに、「新社のブランド価値向上策」や「Web・ホームページ戦略」などのテーマが取り上げられ、社員から出された意見やアイデアが企業戦略に反映されてきました。
今回のテーマは、「当社ビジネスNEXT」。当社の製品や事業の市場を分析し、ビジネスを一層発展させるための戦略について議論とレポート作成を行うものです。
第7回RaaS委員会当日。大塚社長とRaaSの12名はMGCコモンズセミナールームへ集合。大塚社長は開会の挨拶の後、今回のグループワークのテーマである「仕事に臨む際のメタ視点の重要性」について語りました。「例えば、営業をするのにも、価格や品質といった視点だけでなく、業界の状況や競合の事業方針・研究スタンスなど、総合的な視点に立てば、違ったものが見えてくるはず」との話に聴き入る一同。
その後、12名は対象製品・事業テーマごとに、3つのチームに分かれてそれぞれのグループワークへ。各チームは、営業部・研究・事務部門など多彩なメンバーで構成され、これまでの市場や競合に関する調査結果を基に、異なる視点からそれぞれの意見を出し合いました。RaaSのグループワークでは、誰もが自由に意見を述べ、聞く側も先入観や否定的発言なしに相手の意見をじっくり検討することを特に重視しています。
オブザーバー役の大塚社長も、3つの部屋を順に回り、メンバーの話に耳を傾けます。合間合間には、自身の知見を踏まえた参考意見も述べ、それを糸口にさらにメンバーの話が弾みました。
インターバルを挟んで約2時間。活況を呈したグループワークが終わると、全員再びセミナールームに移動して報告会。チームごとに代表者がメンバーの意見を集約した報告を行います。詳細な市場動向や競合の分析、ネクストとしての対応などが述べられ、それに対する他チームからの質疑も熱を帯びます。報告の中で、「協業する可能性のある会社の社長に一度会いに行って、話をお聞きするのもいいかも」という話が出ると、「いいねー。ぜひ行ってください」と大塚社長が早速背中を押します。
報告会後の大塚社長の講評では、「今回の課題は難度が高く、あまり進捗がないのではないかと心配していましたが、皆さん、想像以上によくやってくれました」と活動メンバーをねぎらい、「競合との差異化やシナジーのアイデアも出てとても面白かった。私も勉強になりました。今日はありがとう」の言葉で閉会。その後、場所を移して行われた懇親会も一段と盛り上がり、メンバーの親睦がさらに深まりました。
社名「三菱ガス化学ネクスト」に込めた想い
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RaaSから生まれる本気のイノベーション